公開日 2025年07月18日(Fri)
本日,1学期の終業式が行われました。
明日からはじまる夏休みに胸躍らせている生徒も多いことだと思います。とはいえ3年生は9月から始まる就職試験に備えての準備期間として,あまり浮かれてもいられないかも知れません。学生生活最後の夏休みになる人も,そうでない人も,充実した時間になるよう,計画的に過ごしてもらいたいです。くれぐれも事故や怪我などせず,元気に2学期に登校してきてくださいね。
1学期終業式 校長式辞(紙一重の僅差)
皆さん,おはようございます。
早いもので令和7年度の1学期も本日終業式を迎えることとなりましたが,皆さんにとってどんな1学期だったでしょうか。
先ほどのクラスマッチや各種大会の表彰は,生徒諸君の日頃見えない努力が発揮された証であったと思っていますが,その過程においても生徒の皆さんからプレーに対する感動と,最後まで諦めない粘り,立ち向かう勇気に,誇りを感じた大会がありました。
それは,先週の11日金曜日,ちょうど一週間前になりますが,全国の高校球児が甲子園を目指す夏の全国高等学校野球選手権鹿児島大会1回戦で,昨年度の準優勝校,樟南高校 対 隼人工業で戦った野球部諸君についてです。
6点というビハインドにもかかわらず,その後の相手打線を0点と封じつつ,その点差を諦めることなく毎回の様に得点を重ね,隼工野球部のベンチ・スタンド一体となったプレーは,9回の表に2アウト満塁で一打同点のチャンスと,隼工の攻撃が続く中,さぞかし相手選手や関係者を心理的に追い込んだことに間違いなかったでしょう。
勝利への夢は,相手選手が下がりながらのジャンピングキャッチによって潰えることとなりましたが,超えてヒットになるか,アウトになるか,勝利はボール一つ分だったのではないでしょうか。
皆さん,硬式ボールの直径は,何センチだと思いますか。
硬式ボールの直径は,約7.5cm,人差し指と同じぐらいの長さです。よく「勝負は紙一重」と言いますが,あの大きな野球場の中で,樟南高校との差は,まさにボール一つ分だったのかもしれません。
勝利の記録には残りませんでしたが,部員全員・監督・顧問の皆を信じて最後の最後まで諦めない粘り強く戦った姿に,感動と誇りをもらった記憶に残るゲームとなりました。
この2年半,3年生が残してくれた「粘り強さ」は,ピンチになった時のみ発揮されたものではなかったでしょう。普段の練習から額に汗して自分を追い込んでトライした積み重ねこそが,自分が自分を信じることのできる「揺るぎない自信」として,胸の奥にしっかりと宿ったからだと感じているからです。
後輩の諸君が,このことを信じ,汗かく努力で「隼工の粘り強さ」を引き継ぎ,更なる活躍してくれるものと期待をしています。
また,まだ現役で最後の大会を目指す3年生,改めて僅差を制する「粘り強さ」を普段の生活の中から意識して,悔いの残らないよう夢を追ってください。
現役引退する3年生部員の皆さん,今度はペンに持ち替えて自分の進路実現を叶えて欲しいと思います。
私や先生方,保護者の皆様は,頑張る皆さんの一番の応援団です。
さて,改めて今学期を振り返ると,
1年生にとっては,入学式から今日に至るまで,期待と不安の中,慣れない通学に始まって,中学校の授業とは違った専門教科を学習するなど,発見の多い日々だったのではないでしょうか。
2年生は,今年度の目標どおりに進められているでしょうか。部活では後輩もできて,自分の役割に目覚めた生徒もいることでしょう。
3年生は,進路実現に向けて大切な夏休み期間に入ります。基礎学力定着と応用はもちろんのこと,面接等では,進路先の望まれる人物像やアドミッションポリシーを理解し,自分の特性をどの様に表現して「人柄」を理解してもらうか,その「伝え方」が大切なキーポイントとなるでしょう。
「光陰矢のごとし」と聞いたことのある言葉かと思います。「月日は,弓から放たれた矢のように止まることなく,素早く過ぎる」というこの言葉から,「振り返ると時間の流れが早く感じるもの。だからこそ日々を大切にしましょう」という含みがあります。
明日から夏休み期間に入ります。今年は普段より長い44日の期間となりますが,「明日からやろう」を44回言っていると,2学期に入ってしまいます。
学習や技術,炊事・洗濯・掃除をするなどの生活力においても,何ができるようになりたいかの目標を立て,そのための一日のスケジュールを計画する努力と実行が,日々の前向きな習慣をつくり,以前と違う自分の存在に気づくプレゼントを,自分自身で得ることができるようになるでしょう。
ぜひ,社会に役立つ成長ぶりを実感できる夏休みにしてください。
結びに,2学期の始業式では,勉強・各種大会,部活での困難なども,「自分が自分を信じることをできるか」の問いを立てつつ「粘り」をもって克服し,将来,来るであろう紙一重の僅差を自分のものにできるよう,1ステップも2ステップも成長した,元気で明るい皆さんに会うことを楽しみにして,1学期の終業式式辞といたします。