公開日 2025年10月20日(Mon)
表彰式と全体朝礼が行われました。
表彰式では以下の団体代表者や個人に賞状や優勝旗が渡されました。おめでとうございます!
姶良・伊佐地区高等学校体育大会
バレーボール 男子 第1位
弓道 男子 第2位
ソフトテニス 団体 第2位
個人 第1位(松元 大聖・原 滉貴)/第2位(内屋 琉蒼・藏元 恵司)
第19回高校生ものデザインコンテスト
優良賞 村岡 ここみ
奨励賞 水溜 笑理
全体朝礼 校長挨拶 (本物の「豊かさ」とは)
皆さん,おはようございます。今朝の体調は,いかがでしょうか。
本日から10月下旬になります。今年も早いもので,あと2ヶ月と10日余りとなりました。早く感じている人は,さぞ充実した日々を過ごしてきたことと思います。
10月は,暦の上で神無月(かんなづき)と言われ,日本中の神々が「縁結び」の相談などに出雲大社へ集まるため,各地の神々がいなくなる月,または,初霜月(はつしもづき)と言って,その年に初めて霜が降りる頃のことを指しています。
さて本日は,「時間」のことについてお話をしたいと思います。
今年5月の話になりますが,地球でいうと日本の反対側辺りにある南米ウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカさんが89歳で亡くなったニュースが世界中を巡りました。彼は,その質素な生活ぶりで「世界で最も貧しい大統領」として知られていました。
ムヒカ氏は,在職中,大統領公邸には住まず郊外の農場に住みながら職務を遂行し,消費主義への批判や,社会改革を推進したことで知られています。
中でも,国連会議や来日した際に彼が話をした『自らの「時間」を,モノを買うことで失っている』といったことについて,私も大きく考えさせられることとなりました。
人は何かを手に入れる時,「時間」と「労力」と「情熱」を費やすことによって得たお金で,それを手にして「豊か」に暮らしていると思っています。
ムヒカ氏は,先ほども言ったように大統領公邸に住まず,任期中は畑の横の小屋に住まうなど,質素な暮らしをしていた様ですが,その暮らしむきに「貧しさ」とは違った思いがあった様です。
彼が言う「貧しい人」とは,『限りない欲を持ち,いくらあっても満足しない人のことで,私は少しのモノで満足して生きている。「質素」なだけで「貧しく」はない。』
更に我々に『モノを買う時に,お金でモノを買っている様に思うだろうが,そのお金を稼ぐために,人生という「時間」を使っているんだ。』『働くだけの人生でなく,ちゃんと「生きる」ことも大切。簡素に生きれば,人は「自由」になれるんだ。』と言っています。
老子の教えにも「足るを知る」という言葉があります。人は渇望(かつぼう)すればきりがありません。今が在ることに感謝すれば,幸福感を得ることもできると言っています。
ムヒカ氏は,「(お金のために)働くことばかりに終始せず,家族と幸せなひと時を過ごすことも,人として大切な生き方だ」と,我々に伝えてくれていました。
一方で,Society5.0と言われるこれからの社会に在っては,多くの情報に高価なデバイスで利用料を払ってアクセスし,知識を得たり体験をしたりと,今以上に世界や業界を身近に感じることができる様になると思いますが,遠い世界や業界の情報を見てはいるが,肝心な自分の足元の状況や,自らの「役割」を見ずに生活することはナンセンスです。
「バーチャル(仮想現実)に浸って,知識や体験をしたが,リアリティー(現実)では家庭や職場で活かされていない」では意味がありません。
これらのことから今後,私たちの生活では,『本物の「豊かさ」とは何か』ということを基に,限られた「時間」の中で,「その情報やモノ」が「今,本当に必要なのか」を取捨選択する力と,それを「どの様に扱うか」,活用する力が,必要となるのではないでしょうか。
最後に「時間」は,日頃から皆さんに伝えている「想い」と同じく,目には見えない大切なものです。
また,「時間」は,Time fliesと言うように,今年残された2ヶ月と10日も,あっという間に過ぎていきます。
今日は詳しく話ができませんでしたが,皆さんには,「自分軸の時間」と同じく「他人軸の時間」もあることを推察しながら,残された二学期を「充実した日々」として過ごすことを期待して,今朝の挨拶といたします。