公開日 2026年01月08日(Thu)
1月8日,少し長めの冬休みが明けて,新学期がはじまりました。
1月は3年生の課題研究発表と卒業考査,2年生はインターンシップが控えています。新年,気持ちを新たにしっかりと取り組んでいきましょう!
3学期始業式 校長式辞(自分を誇らしいと感じる時)
皆さん,おはようございます。2学期の終業式では,「落ち着いた年末を過ごし家族と佳い年を迎えてください」と話をしましたが,いかがだったでしょうか。本日は清々しい,2026年,令和8年の3学期始業式をこうして皆さんと迎えることができ,大変うれしく思います。
一昨年の正月は,石川県の能登半島を中心とする地震災害があり,今なお約1万8千人の方々が仮設住宅などで避難生活を送っていることや,世界に目を向けても各国の思惑で摩擦を生む状況が続いており,世界経済への影響や不安定さは,日本の経済や皆さんの生活,進路にまで影響を及ぼします。
世界の平和と安定が続くことを祈りつつ,今年一年が皆さんにとって健康でかつ躍進を遂げる一年になることを期待しています。
そんな今年の干支は,スピード感や行動力を意味する午年です。更に60年に一度といわれる丙午で,太陽のような明るさと情熱,決断力が重なり,「諦めかけていたことに挑戦すると良い結果に繋がりやすい」とされているようです。
ただ,感情的にならずに冷静に考えてから行動することもリスク回避には必要です。
私は,情熱と冷静さを行動の柱にして,目標が達成できる一年にしたいと思います。
柱と言えば,「心の支え」としても使われますが,皆さんにも馴染みのあるアニメ「鬼滅の刃」に登場する「組織を支える中心的役割」の登場人物「柱」がそれにあたります。
また,今から1443年前の飛鳥時代に聖徳太子から建立を依頼され,金剛組が造った四天王寺の五重塔に使用されている「基礎から最上位まで貫く柱」は,高層建築物の中心的役割を果たす柱「心柱」として,地震などの揺れを減ずる役割があると当時から画期的なモノであり,その技術は2年生が修学旅行で登った東京スカイツリーにも応用されています。
時にアメリカは,今年2026年7月に建国250年となりますが,日本には,心柱のような技術を継承している世界最古の企業,創業1448年になる金剛組が在るように,創業から技術と伝統を継承してきた創業2~300年の企業が900社以上存在しています。
心の拠り所とした神社仏閣の特殊な建築物を今日まで支えてきた金剛組は,地域・全国の人々から必要不可欠な存在として慕われ,またそのことからも金剛組社員は,仕事に対する自覚と責任を果たすことが,自らの誇り(やり甲斐)であると感じたことでしょう。
「ものづくり日本」を支えるそれらの企業は,我々が世界に誇る企業であり,工業教育を行う我々にとって,継承すべき伝統と技がそこにあると確信しています。
他方,アメリカや世界的にもAIデータセンター構築と,その冷却システムを始めとした施策が行われる中,他国に出遅れた日本においてもセンター構築と,官民連携によるデータ利活用の促進,民間へのAI導入に向けたスタートアップ支援が,昨年末に政府によって閣議決定するなど,主要国におけるAI積極導入に注目を集めています。
このAI戦略推進によって,数値に置き換えられる仕事の従事者で「ホワイトカラー」と呼ばれる管理職は,今後,工場管理部門の統廃合等によって減少するであろうとされていますが,一方で,根気強く行う「擦り合わせ技術は世界一」とも称される「ものづくり日本」。
その日本が持つ特殊な技能者「特殊ブルーカラー」が,生成AI技術をも駆使し起業するなどして,「社会を支える時代になる」と言われ,技能に特化した工業高校生の持つ役割や重要性が,増してきているとも言われています。
そこに更に人と人との間に在って,AIには感じ取ることが難しいとされる『物事に対する「熱量」や,その場の「空気感」を表現できる人』こそが,日本人としてのIdentity(独自性)をもつ真の技術者になるのではないかと想います。
社会に応える仕事をすることが金剛組の誇りであり,生き抜いた原動力とするならば,隼人工業高校の皆さんが目指すところも同じではないでしょうか。
人としての想いを大切にでき,心柱を支える「基礎」を身につけるなどして,社会に応える「仕事への構え」を今,ぜひ付けていって欲しいと思います。
それらを皆さんが社会で実践した時,皆さんを取り巻く人々の「誇り」となり,「自分を誇らしい」と感じる時が来るでしょう。
結びに,ぜひ皆さんも今年は,午年にちなんで,スピード感や行動力を意識しつつ,リスクマネージメントを行うなど,「情熱と冷静さ」を行動の柱にし,基礎・基本の習得と,取組への心構え向上によって,成長が実感できる一年になることを期待して,3学期 始業式の式辞といたします。
