学校行事

  • 2025年04月08日(火)

    第78回 入学式

    青天と舞い散る桜に見守られ,本日126名の生徒が新たに隼人工業高校として迎えられました。

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    入学式 式辞(抜粋)

     新入生の皆さん、入学式は未来への決意を新たにする場です。現在の社会は、国際化、テクノロジーの進化、環境問題、感染症問題など、様々な問題と向き合っています。皆さんが生きる未来は、新たな社会の仕組みや価値観が生まれるなど、大きな変革が続くことでしょう。その未来を、自分で生き抜くための基礎力を高校三年間で身に付けて、先程紹介した「社会の一員として貢献できる実践的産業人」を目指してください。

     皆さんが高校生活をスタートさせるにあたり、自覚して欲しいことを私から2つお話しします。

    先ず、「人間力を身につける。」ということです。

     高校は、中学校までの義務教育とは違い、それぞれが自分の将来の姿を描き、目標を立て、その実現のために自らが学びに向かう場所です。将来自分が希望する職業に就くため、基礎的技術や技能を習得し、心身を成長させ、できなかったことが数多くできるようになるところです。

     夢実現のため、人任せにせず、自らが考え、判断し、行動するための「知識」と、それをもって工夫する「知恵」と「実践力」を、主体的に身につけようと努めることや、他人の想いを理解し、今在ることへの感謝ができ、自らが想いのある言動を行うなど、人格の成長を促す自己指導力によって、社会に順応するための「人間力」を身につけて欲しいと思います。

     次に「ポジティブに挑戦する。」ということです。

    自らの意思によって目標を持ち挑戦することで、今まで経験してこなかった事柄に出会うことができます。それは決して良いことばかりではありません。したくもなかった苦い経験も時にはあるでしょう。しかし、その経験が無ければ悔しい感情や、成功したときの感動を味わうこと、周りの方々への心からの感謝が芽生えることもないでしょう。自分にとって他人にとって良いことを、「できる」「できない」と頭で考えすぎることなく、まずやってみることです。私たち職員は、皆さんの良き伴走者としてサポートしたいと考えています。ですから今日の今、この瞬間から、弱音を吐かないで何事もポジティブに、プラスに考えて言動してください。口に+-と書いて吐くいう漢字がありますが、皆さんには口に+と書いて叶う言動を心がけて欲しいと思っています。

    そのことによって皆さんが、-と捉えがちなことも自らのバイタリティーによって打開する力を付け、隼工で心震える様な感動が得られるようになることを期待します。

    以上二つの「人間力を身につける。」ということと、「ポジティブに挑戦する。」という志を、高くもって、高校生活を送ってください。

  • 2025年04月07日(月)

    始業式 ~令和7年度 1学期~

    新しい年度が始まりました。

    在校生は明日入学する新入生の規範となるべく,気を引き締めてきましたか?それとも新学年にそわそわしているのでしょうか。

    この1年が充実したものとなるよう,各自目標を立てて臨んでくれたらと思います。

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    また,今年は新たに職員を10名迎えることとなりました。みなさん,どうぞよろしくお願いいたします。

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    令和7年度 1学期始業式 式辞(どちらのタイプか)

     桜咲くこの季節は,新たに転入・入学,新年度始業の季節でもあります。

     先日,定期人事異動によって離任された隼工にご尽力くださいました先生方を,感謝をもってお送りしましたが,本日,先ほどご紹介しご挨拶いただきました,欠席の先生方を含む10名の経験豊富な先生方を新たにお迎えし,大変心強く感じているところです。

    また皆さんと心新たに今年度をスタートすることができることを大変嬉しく想います。

     さて,今日からそれぞれ学年も上がり新年度を迎えました。皆さんには,昨年度3学期終業式にて「新学年で新たにチャレンジする目標を立てて,始業式を迎えてください。」と,お話しまたが,目標を立てることができたでしょうか。

     最終学年となる3年生にとっては,2~3ある目標の中,その多数が進路決定を果たすことにあると思いますが,これまでに積み重ねた他者に対する敬意の念と,実現のための方策を自分の特性をよく知った上で,社会で通用する思考・表現する力を得ることが肝要です。更に計画に則り行動力を高め,「プラスαの努力」を普段から「意識」して欲しいと思います。

     学年中堅となる2年生にとっては,これまで学習した基礎的知識・技術の応用・発展と,部活や家庭での役割を自らが考え,行動することで自らが存在価値を高め,社会性を身に付けることが,将来の進路に繋がると,「意識」して生活して欲しいと思います。

     こうして皆さんは,社会に出るための「生きる力」を身に付けていくわけですが,そのプロセスにおいて,困難に出会った際,人は2つの「考える」タイプがあると聞きます。

    皆さんはどちらのタイプでしょうか。

    一つは,「できない言い訳」を考えるタイプで,もう一つは「できる方策」を考えるタイプです。

     どちらが,生産性が高くなるかは,皆さんも分かるとおりで,「できる方策」を考えるタイプです。

     皆さんの着地点でもある社会において,例えばトヨタ自動車では,企業成長のために課題を解決していく過程で,起こった事象に対し「なぜ」を5回,なぜ怪我をしたのか。なぜ機械が作動していたのか。なぜそのことに気がつかなかったのか。なぜ疲労していたのか。など,その理由を深掘りし,本当に必要な対応策を「カイゼン」として考えるそうです。

    このトヨタ式カイゼンは,日本企業のみならず世界的にも活用され「improvement」ではなく,アルファベットの「Kaizen」で表記されるほどです。これらのことからも分かるように,社会人へと成長することを「意識」して「できる方策」を考える生活を送って欲しいと思います。

     結びに,皆さんが,生きる力を身に付けて,自らの特性で社会に貢献することを目標に,できることを増やせる一年となることを期待して,令和7年度1学期始業式の式辞といたします。

  • 2025年03月25日(火)

    終業式・離任式

    本日,終業式と離任式が行われました。

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    3学期終業式 式辞(水の如く自らの力で切り開く)

     ここ最近の暖かい日が続く春の日差しと,北には自然と歴史のある霧島の美しい山々,花々が赤や黄色に咲き誇り,新緑の葉が光り輝くなど,一年でも素晴らしい季節となりました。

     この時期は,学年の修了や卒業など,締めくくりの時期でもあり,進級・入学や入社の新たなスタート,別れと出会いの季節でもあります。

    本校での出来事を話しますと,先月の28日,同窓会入会式で3年生は,社会で活躍されている1万1千人を超える同窓生の仲間に迎えられ,今月の3月3日月曜日には,2年生の皆さんや3年生保護者の皆さんと,霧島市副市長などの来賓・先生方が参加する中,ここ本校体育館にて,3年生の第77回卒業式を行うことができました。

    先進技術開発・製造が行われているこの霧島市の地で育った産業人の卵である3年生は,学校行事でも皆さんをリードし,課題研究や進路発表でも自らが経験したことを惜しみなく伝えてくれました。

    そんな3年生は,学習活動は元より,苦楽を共にした同級生や後輩諸君との楽しい日々を振り返りつつ,新たなステージに向け旅立って行きましたが,3年生を代表して内田さんが答辞の際に述べた「どんな時も支えあい,お互いを高めあえる仲間と共に,学校生活を送ることができて本当に幸せでした。」「皆さんが隼人工業高校の伝統を受け継ぎ,大きく発展させて,後輩たちに引き継いでいってくれることを願っています。」といった言葉が大変印象に残りました。

    このことは,隼工の伝統を引き継ぐ残された1,2年生の皆さんと,我々職員に成長と発展への示唆となりました。

    さて,皆さんはこの一年を振り返ってみて,どんな時間を過ごすことができましたか。

    私は,年度当初,そして新年,乙巳(きのとみ)の年となった1月の始業式でも「チャレンジする年としてください」とお話しをしてきました。

    そのことは,人として大きく成長して「生きる力を身に付けて欲しい」という願いからでした。

     改めて皆さんに問いますが,1年前とするとどんなことができるようになりましたか。

     学習や専門技術の向上は勿論のこと,学校での活動,家庭や自治会での取組など,個人の能力や,人を敬い協力し合うなどの社会性を向上させることができたでしょうか。

    また一年間を通して「人の想い」「時間」「基礎」の3つ,見えないものを大切にするという「人としての在り方」を,自らの自己指導力を基に備えることができたでしょうか。

    何事にも通ずることですが,向上する為の秘訣は,今まで努力している上に,更に 「+α(アルファ)の努力をする」ということです。その努力は皆さんを決して裏切ることはないでしょう。何らかの形で,必ず自分の力となって返ってきます。

    しかし,もし,報いることのなかった努力があったとするならば,それは努力とは言わないでしょう。

    話は少し変わりますが,今から約400年前の戦国時代,戦国の世を終わらせるべく豊臣秀吉の元で軍師として活躍し,後の筑前黒田52万石となった黒田長政の父,黒田考高(よしたか)通称 黒田官兵衛は,戦国の世を生き抜くにあたり,水五訓という言葉を残しています。

    ※(目を閉じて,耳で観てください)

    それは,人の考えた常識ではなく,自然の摂理,水が上から下に流れるような「天地自然の理(ことわり)」を,自然界に住む我々もかくあるべきと人を導く教えです。その水の様子にある3つに,「常に自らの進路を求めて止まらないのは水である」また「障害に遭っても激しくその勢いを増して百倍にできるのも水である」「洋々として大海を充たし,発しては蒸気となり,雲となり,雨となり,雪と変じて,霰(あられ)と化し,凝(ぎょう)しては美しき鏡となりたるも,その本質は水である」と水の在り様を伝えています。

    ※(目を開けてください)

    これは,人にあっても「自らが考えて道を切り拓くこと」「諦めることなくじっと耐えて努力すれば,大きな力になって返ってくること」「水は温度変化によって,また器の形によって自在に形が変えられますが,その本質は変わりません。人もまた,与えられた環境の中にあって,社会の変化に対応すべく常に柔軟に努力できる」ということを伝えているのです。

    戦国の世とその様は異なりますが,近年でも,AI等を駆使した情報管理,情報操作によって,生活や仕事,戦争までも,戦国と同様にめざましく変わる激動の時を迎えています。

    そこで皆さんも「自らの将来は,自らの力で切り開く。」と,心してください。

    そのための人間力を常にチャレンジすることで身に付けていって欲しいと思いますし,一年後,再び3学期の終業式で「何ができるようになったか」と問われた時に,皆さんが学習や技術,料理や社会性など,生きていく為の数多くの人間力がついて,「できることが増えた」と,言えることを期待しています。

    結びに,明日からの春休み期間において,未来ある皆さんが新学年で新たにチャレンジする目標を立てて,元気にまたここで始業式を迎えられることを願って,3学期終業式の式辞といたします。

     

    離任式では,10名の職員が転出・退職されました。

    生徒に寄り添い,温かく見守り,授業や生活の面で優しく,ときに厳しく指導していただき,誠にありがとうございました。

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  • 2025年03月03日(月)

    第77回 卒業式

    本日,本校から133名の生徒が巣立ちました。

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    皆さんのこれからの道のりが,明るく幸多きものとなるよう,願っています。

     

    卒業式 校長式辞(抜粋)

     皆さんはこれから、就職・進学とそれぞれの進路での新しい歩みが始まりますが、今日からは、自分の足でしっかりと大地を踏みしめて歩いて行かなければなりません。

    しかし、時には迷いもあるでしょう。そんな時は、自分の心、学び舎の原点である、「隼工生」として、常に持ち続けて欲しいことがあります。

     それは、昨年4月の年度当初に私が皆さんにお話しした『ものづくりを学ぶ工業高校に在って、「人の想い」「時間」「基礎」の三つを挙げ、「見えないモノこそ大切にできる隼工生」であって欲しい』と伝えたことです。

    これは、まさに「人が人として、よりよく生きていく」ための、本質を説いたものであり、「隼工生」とは、「人の想いが込められた品物を大切にできる」ことは勿論のこと、「人の想い」「時間」「基礎」など「見えないモノを大切にできる」生徒である。という、隼工生が隼工生であるその所以、そのIdentity(独自性)を胸に刻んで生活して欲しいということです。

    これは、皆さんが、AIに代表される変革の時にあるこの社会を、人として迷い無く、力強く生きて活躍すると同時に、幸多き人生となることを、私は心から願っているからです。

      皆さん本当におめでとうございます。

  • 2025年02月25日(火)

    全体朝礼

    全体朝礼が行われました。

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    3年生が自宅学習期間に入り,卒業をあと数日後に控えていることもあり,1年生と2年生だけが並ぶ体育館も何だがとても広く感じます。

     

     

    全体朝礼 挨拶(「難有」と書いて「有難う(ありがとう)」)

     皆さん,おはようございます。

     1月2月は,冷え込みの激しい時期で,今朝の様に雲無く晴天となると地表の熱が宇宙へ放出される放射冷却によって,グッと寒くなります。日中の気温は上がりそうですが,この時期は,寒い日と暖かい日が繰り返される様子を「三寒四温」といい,徐々に暖かくなります。

    この時期はそうやって春を迎えますが,温度差が出てくると,自律神経失調で体調を崩しやすい方も出てくるようです。皆さんも体調管理には,気をつけてください。

     

     さて,この時期になると,梅の花が開花し,自然の美しい白や赤の色合いを見せてくれます。その花は,まだつぼみの頃に雪降る冬の寒さに耐え,じっと力を蓄えた花たちで,一年間で一番美しい時を迎えています。

     平安時代の和歌には,実は桜よりこの梅が,春を詠む花として多く使われていました。

     今週は,3年生が28日の金曜日に同窓会入会式,来週月曜日3月3日には,卒業式を迎えます。3年生は,多くの経験から,自らが考え,判断し,行動することで,この三年間,できることが増えた喜びと,学びの為の困難を耐え忍んで努力してきたことがあったと思います。

    皆さんも知ってのとおり,人は,楽をしていて中身の成長はできません。困難なことから避けていては,実力も考え方も成長できないのです。逆に困難が有るから打開する力をつけて,または考え方捉え方を替えて成長できるのです。「難有」と書いて,「有難う(ありがとう)」というように成長する機会を与えられたと,捉え方によっては感謝すらできるようになるのです。

    しかし,3年生の自らが立てた三年間の目標が,道半ばであれ,高校生活は,ここで完結されます。その達成度は,大なり小なりそれぞれ有っても,人生の学びが終わったわけではありません。社会に出てからの経験で,高校生活では見られなかった急成長をする3年生もいることと思います。

    そんな3年生を私は,学校行事や部活動などで,引っ張っていってくれたことに対して,皆さんと一緒に感謝を込めて送り出せたらと思っています。

     

    また,在校生である皆さんも,先輩から引き継いだ隼工を,3年生や卒業した同窓生が,「あの制服を着た隼工生は自分たちの後輩だ」と誇りに思う,自慢に思う隼工にしていくことが,延いては自分の進路や将来に繋がっていくことを胸に留めて,先生方と一緒に,学習や部活動,学校行事に校外活動にと頑張っていきましょう。

     

    終わりに,伝統を引き継がれる者として,誇りを胸に,益々隼工が発展していくことを期待して,今朝の挨拶といたします。

     

  • 2025年01月20日(月)

    国際交流で広がる友情 ~セントフランシス学院との特別な1日~

    本日,セントフランシス学院(マレーシア)との交流会が行われました。国際的な交流を深めるこのイベントには,セントフランシス学院から生徒12名と職員2名が来校しました。

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     交流会は,本校吹奏楽部による歓迎演奏で幕を開けました。演奏の美しいハーモニーが響き渡り,会場は温かい雰囲気に包まれました。その後,両校の代表による記念品の交換が行われ,絆を象徴する素晴らしい品々が贈られました。

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     本校の情報技術科では,ユニークな交流会が行われました。生徒たちが課題研究で製作したUFOキャッチャーを実際に体験したり,レゴ マインドストームを用いたルービックキューブ自動解法ロボットが紹介されたりするなど,専門的な学びを活かした作品が披露されました。特に,eスポーツのボンバーマン対決では,笑い声が絶えず,両校の生徒たちが言語の壁を越えて楽しむ姿が非常に印象的でした。

     この交流会を通して,生徒たちは異文化を肌で感じる貴重な経験を得ることができました。異なる文化を共有し合うことで,国際理解と友情が一層深まったことと思います。

     今後も本校とセントフランシス学院の交流が続き,両校の絆がさらに深まることを期待しています。

  • 2025年01月08日(水)

    3学期 始業式

    あけましておめでとうございます。

    皆さん,どのような年末年始を迎えたでしょうか?この新たな1年が,素晴らしいものになるよう願っています。

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    3学期 始業式 校長式辞

     2025年,令和7年がスタートしました。皆さん,明けましておめでとうございます。年末・年始にかけてどの様な日々を過ごすことができたでしょうか。

     暖かく晴天の続く三ヶ日で,ご家族の皆さんと,また普段会えないご親戚の皆さんともお互いを敬う挨拶と同時に,成長の喜びと将来の夢を交わすなど親交を深めた人もいたことでしょう。

     一年前は,元日から震度7の石川県能登半島地震,二日には,羽田空港での旅客機と海上保安庁航空機との衝突事故などにより,尊い命が犠牲となるなどの災害や事故があり,年始めから災害に対する備え,事故が起きない予防策を考えるスタートとなりました。未だ復興半ばで,普段の生活もままならない住民の方々,その中で過ごす高校生など,将来に不安を抱える人が多数いることを考えると,一早い復興を願うばかりです。

     さて,今年は十二支で言うところの巳年です。もともと中国で年を一二種類の動物になぞらえたもので,一から十までを数える甲,乙,丙(きのえ,きのと,ひのえ)などの十干(じっかん)と組合せ,2025年は2番目の「乙(きのと)」の「巳年」,「乙巳(きのと・み)」と言うそうです。乙(きのと)は,中国の思想,陰陽五行(おんみょうごぎょう)の「木」の要素をもっていて,しなやかに伸びゆく様子と,巳年に表されるへびが脱皮を繰り返して成長する様をなぞらえて,乙巳(きのと・み)の年は「再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していく」年と考えられているようで,皆さんにとっても,とても良い年となる様に感じます。

     少し話を変えて皆さんに質問しますが,皆さんが,もし,両手にたくさんの物を握っている時に,新たな興味関心を惹かれる物と遭遇したら,どうしますか。

     ⑴ 素通りする。⑵ 観察して終わる。⑶ 一旦,持っている物を置いて,新たな物を手に取って,手触りを確かめながら観察する。⑷ 更にその物から新たなインスピレーションを感じるようであれば,前から持参していた物の中から精査して持ち替える。

     皆さんも気づいているように,たくさんの物を握りしめていては,新しいものを手にすることはできません。

     皆さんは,以前の出来事や物の良さを,十分に認識しつつ,しかし囚われず,新しい物を吸収し,成長する資質をもっているものと思います。Society5.0の変化の激しい時代にあって,変化に抗わず,吸収・進化する姿勢は大切です。

    いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも,新しい変化を重ねているものをも取り入れることを「不易流行」と言いますが,皆さんにもぜひ,今までのことに囚われず「再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していく」年である乙巳(きのと・み)から,まずはしてこなかったことに対して「チャレンジする年」としてみてください。

    「失敗無くして成功は無し」「トライ&エラー」「エラーを恐るるべからず」「エラーこそ成長の卵なり」。経験を実力に変え,巳年にふさわしい「成長の年」となることを,年の初めとして皆さんに期待しています。また,年度初めからお話ししています,『「人の想い」「時間」「基礎」を大切に』についてですが,3学期は特に「基礎」について考えてみてください。

    3学期は,皆さんにとって締めくくりの学期であり,学年末を迎える学期です。各学年を修了する時期であり,3年生にとっては,高校最後の学期となります。皆さんは,学年の学習に関する基礎から,ピラミッドの様に基礎・応用と積み重ね,また,社会で必要とされる考え方や礼儀作法を備えるなど,進級,内定や合格,卒業だけを意識するのではなく,その先に何が待ち受けているかを,見通しをもって,今,取り組んでください。

    話しは変わりますが,皆さんは『臨機応変』と『行き当たりばったり』の違いについて考えたことはありますか。例えば,事前に次の日の天気予報の降水確率を確認して,傘を準備しておき,「雨が降ったら差す」「雨が降らなかったら差さない」といった見通しをもった行動で,対処できることが『臨機応変』です。

    『行き当たりばったり』は,「雨が降ったら傘を買って差す」も,有効に見えますが,買わなければならず,売ってなければ差せないなど,対処できないことがでてきます。

    『臨機応変』に行動するとは,「もしこの場合だったらこの様にしよう,違った場合はあの様にしよう」と,緻密な計画と準備があってのことです。ノープランでの行動は『臨機応変』とは言いません。普段から一つの物事を多面的に捉えて「想定外」を減らすことが,どの様な事態が起きても対処できる『臨機応変さ』を身に付けられるのです。

    話を元に戻しますが,「人生」という皆さんが主人公の物語は,ある程度の見通しをもって,揺るぎない地盤・基礎が備わった地点から社会へスタートすることがbetterです。

    以前も皆さんに話をしたように,建物の基礎は,普段は目に見えないものです。ただその役割は,とても重要であることを皆さんも知ってのとおりです。学校で学んでいることは,「学習」の基礎や,生涯を通じて自らが学ぶ力,自学力の向上だけでなく,『学習活動等を通した「人との接し方」』や,先ほど例にあげた『臨機応変さ』など,物事の考え方・捉え方も学び,「生きる力」を身に付けることが大切です。それこそが社会で生きていく為の基礎となるのです。

     結びに,皆さんが,日々,学習や部活動などで,地道にコツコツと見通しをもって努力し,技術や思考を少しずつでも高みに積み上げることを怠らない「直向きな姿勢」で,基礎を身に付けることと,先にお話しした乙巳(きのと・み)の年に「チャレンジによって成長」することを併せて期待し,3学期始業式の式辞といたします。

  • 2024年12月24日(火)

    2学期 終業式

    就職試験や隼工祭,体育祭,修学旅行にクラスマッチと,各種イベントに大忙しだった2学期も本日で終了です。

    そしてすぐに新年を迎えることになるのですが,皆さん令和6年はどのような年となったでしょうか。年の初めに立てた目標は達成できましたか?ぜひこの1年を省みる時間を設け,それから新年を迎えてみるのも良いのではないでしょうか。

    新たな年に,気持ちを新たにした元気な皆さんと会えることを心待ちにしています。

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    校長式辞

     2024年,令和6年,辰年も残すところ1週間となりましたが,皆さんにとって,今学期,この年は,いかがだったでしょうか。

    ・今年の3月に本校の入試に合格して,希望を胸に高校生活を歩み出した1年生。

    ・4月から後輩もできて,専門学習・部活動も,基礎から応用,または中堅としての役どころを発揮し始めた2年生。

    ・最上級生としてリーダー性を発揮しつつ,進路実現に向けて3年間取り組んだ結果,就職進学の進路先を決定し,次のステップへと心を新たにしている3年生。

    私からは,皆さんに,1学期始業式で「人の想いを大切にできる隼工生」について,2学期始業式の式辞では,「時間を大切にできる隼工生」であって欲しいと,例を挙げながら話しをしてきました。

     自分の時間を心身の成長のために有効活用しつつ,他人の時間も奪うことなく,先生方・親族を含む他人が,自分に使ってくれた時間や行動をありがたく思い,また,保護者の時間と情熱,労力の結晶でもあるお金に対しても,感謝をもって過ごすことができたでしょうか。

     2学期は,限られた時間の中で,資格・検定への挑戦,部活動の大会や発表会,文化祭や体育祭など,個人の力を最大限に発揮して,また皆の知恵と力を一つにして,一生懸命に汗を流したこともあったでしょう。

     もちろん,その過程において,楽しいことばかりがあったとは思いません。むしろ大変な事の方が,多かったのではないでしょうか。

     目標に向かって,「いかにして力を出し切り,達成することができるようになるか。」という取組こそが,皆さんにとっては,とても良い経験になったことと思います。

     皆さんも知ってのとおり本校では,ものづくりを通して,「利用する人が,いかに安全安心で使いやすい,便利な品物を製作するか」にあたって,アイディアを出し,具現化する技術の基本を学ぶと同時に,創り手の想いも理解できる「ものづくり教育」を行う学校で,ひとづくり,人格形成を行う学校です。

     AI技術が盛んになる中,人から言われたことだけができる「ロボットのような人物」となるような教育をしているわけではありません。一つの事柄に対して,自らが考え,自らが行動し,結果・分析から,次の目標へと移動していける人物の育成です。

     話しは変わりますが,皆さんも自転車には乗ったことが多いと思います。最初の頃は補助輪をつけて,前にこぎ出すペダルや,止まるためのブレーキ,方向を定めるハンドルを操作しますが,慣れてきたら補助輪を外して,転倒しながらもコツを掴んで上達し,やがて近場から遠くまで,景色を見ながら思いのまま自由に操作して自転車を楽しんだことと思います。

    私は,人生の楽しさも,この自転車乗りに似ていると思います。

     自分で状況判断し,行動するからこそ,自分の人生,自分が主役となって楽しめるのです。他人に操作される人生は,「自分の人生を生きている」とは言えないのではないでしょうか。

     これらのことからも分かるように,今,皆さんは,「人生を楽しむため」に,学校生活の中で,操作技術の基礎,社会の基本を学び,技術やコミュニケーションスキルを習得し,前へ踏み出す行動力を身に付ける機会を得ているのです。

     AI技術が盛んになる中,皆さんがChatGPTなどを利用するにしても,知りたいことや,思い通りの答え,結果を導き出すには,AIに思惑の伝わる語彙を選び,コマンドを入力する必要があることを知っているかと思いますが,私は,皆さんにそんなAI技術が盛んとなる社会に巣立つ前に,少しでも語彙力や基礎力を在学中に高め,自分の思い通りの結果が得られる力をつけて,卒業していってくれることを願っています。

    そのためにも,二度と来ないこの2学期節目の今日この時この時間を,大切に考え,今までの自分と,新しい年を迎える自分の理想像との「ギャップ」に対して,この冬期休業中の年末までに何から改善すべきかを考えて,新年を迎え,心新たに行動し,皆さんにとって令和7年が,更なる飛躍の年となることを期待して,2学期終業式の式辞といたします。

  • 2024年12月24日(火)

    生徒会任命式

    2学期も今日で終わりを迎える,そんな終業式の前に,新生徒会の任命式が行われました。

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    生徒会役員改選は10月に終えられていたものの,役員の割り振りや旧生徒会からの引き継ぎがあり,そして先日行われた新旧生徒会によるクラスマッチ運営を節目として,本日新生徒会が全校生徒にお披露目されました。

    生徒によるよりよい学校生活,よりよい隼人工業高校作りを期待し,応援しております。

  • 2024年12月23日(月)

    クラスマッチ(2学期分)

    先週1学期分のクラスマッチを終えたばかりではありますが,2学期のクラスマッチが行われました。

    競技は男子バスケットボール,女子バスケットボール,男子サッカー,eスポーツ(ボンバーマン),オセロです。

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    今回のクラスマッチでは初のeスポーツが取り入れられ,観覧している生徒から歓声もあがるなど,盛り上がりを見せていました。

    ただ残念なことにインフルエンザや風邪の流行で欠席も多数あり,参加できなかった生徒も悔しいでしょうが,クラスによっては急遽チーム編成の変更や試合数の変更と,運営の生徒会も大変だったことと思います。お疲れ様でした。

    さて,結果ですが各競技の優勝チームは

     男子バスケットボール:3年電子機械科1組Bチーム

     女子バスケットボール:2年インテリア科Aチーム

     男子サッカー:1年電子機械科2組Aチーム

     eスポーツ:3年電子機械科2組 加茂さん

     オセロ:3年電子機械科2組 辻さん

    以上のようになりました。おめでとうございます!